「天国行きと地獄行きの峻別。」 マタイ13章47~50節 櫻井圀郎協力牧師

天の御国は、海に投じて、全ての民族から寄せ集める引網の如くなり。それは満了する時に浜辺の上に引き上げ、(それらを、玉座に)座らせ、良いものを容器の中に収集し、悪いものを外に投棄する。このように、世の終わりにある。天使らが出て、悪者を義人の中から分ける。そして、悪者らを火の炉の中に投じる。そこで、泣き声と歯の歯軋りがあろう。

日に日に世の終わりの接近を痛感する毎日です。少なくとも、先週よりは1週間分、終末に近づいたのは事実です。

人生をどう判断するかは人それぞれでしょうが、聖書は、人間は一人一人が、神の代官として特別な任務を受けて生まれてきたことを伝えています。自分の体が、自分の人生が自分のものではなく神のものなのです。その点を理解できるか否かが今後の人生を大きく左右することになると思います。

人生の一瞬一瞬は喜怒哀楽があり、悲喜交々でしょうが、死の瞬間は人生の総合評価です。途中経過では、暴落もあれば、急騰もあり、報われない努力もあれば、棚ぼたもあり、急転直下の落し穴だってあるでしょうが、挽回もまた可能です。しかし、死の瞬間の評価は絶対評価です。もはや誰にも、加筆も、削除や修正もできません。

   Ⅰ お白洲に座する全民族

本日の御言葉、「天の御国は、海に投じて、全ての民族から寄せ集める引網の如くなり」と始まります。次いで、「それは満了する時に浜辺の上に引き上げる」と言います。「満了する」というのは「時が満ちる」という意味です。その際、集められる人々は、アダムとエバ以来の全ての人間です。

「海」というは、地上の全歴史を「海」に喩えたものでしょう。平穏な海、大波小波、津波があり、大きなエネルギーを秘め、そもそも地球全体を覆っていた海です。

そして、「引き上げたら、それらを、玉座に座らせる」と言います。引き上げられる所は「浜辺」です。すなわち、「白浜」つまり「お白洲」です。

神の定めの時には、全歴史の全世界の全員が、基督の玉座のお白洲に座らされるのです。

1月5日から施行された「法人等による寄付の不当な勧誘の防止等に関する法律」では「霊感その他の合理的に実証することが困難な特別な能力」と規定し、昨年末に発せられた厚生労働省の「宗教の信仰等に関係する児童虐待等への対応に関するQ&A」でも「宗教等、霊感その他の合理的に実証することが困難な方法」というなど、欺瞞的、詐欺的なものと理解されています。

私たちは、聖書が霊感によって書かれた神の言葉であると信じ、聖霊を内住し、聖霊の導きによって基督者生活を送っていますが、「愚かな人々」と見られているのでしょう。

   Ⅱ 天使が善人悪人の選別

次に、「玉座に座らせた全ての民族から集められた人々について、良いものを容器の中に収集し、悪いものを外に投棄する」と言います。

「良いもの」とは、良質なもの、有用なもの、善良なもの、望ましいもの、有益なもの、役に立つものを意味します。基準は「王なる基督にとって」です。

自分はあれをした、これをしたと言って、自分こそ選ばれるに違いないと言って憚りませんが、人間の決めることではありません。

人間の測る基準と神の測る基準とは異なっています。

極端な場合、人間の基準では高い評価が神の基準では低かったり、マイナスであったりするのです。高い者は低くされ、低い者は高くされる、泣く者は笑い、笑う者は泣くのです。

神の基準と人間の基準とで差異が生じるのは、神の基準は絶対基準であり、人間の基準は相対基準であるからです。

一人一人の人間はすべて神のかたちに創られているのですから、一人一人で完全なはずです。神に創造された完全な者として、その人を評価するのです。

金持ちの献金と貧しい寡婦の献金。金額で比較したら、金持ちの方が良いことになります。しかし、その人を単位として、その金額を見れば、金持ちの場合はその全財産の1%にも満たないかもしれませんが、寡婦の場合は98%くらいかもしれません。

   Ⅲ 地獄に堕ち痛恨の極み

次いで、多くの天使が出てきて、役に立たない悪者を役に立つ義人の中から選別し、引き離すというのです。

お白洲で、裁判官たる基督の裁きに従って、執行官である天使たちが、悪者を一人一人勾引し、地獄の火の炉の中に投じるのです。地獄では鳴き声と歯軋りが激しく、仏教の地獄でいう阿鼻叫喚の世界です。

なんとも怖い話です。もうこれは、先ほど紹介した新法や先ほど紹介した厚労省通知によれば、合理的に実証することができない知見に基づく、脅しであり、虐待でしょう。彼らにとっては、絶対に許すことのできない妄想であり、法律をもって取り締まるべしということになるのでしょう。

マタイ13章47~50節

  • 13:47 また、天の御国は、海に投げ入れてあらゆる種類の魚を集める網のようなものです。
  • 13:48 網がいっぱいになると、人々はそれを岸に引き上げ、座って、良いものは入れ物に入れ、悪いものは外に投げ捨てます。
  • 13:49 この世の終わりにもそのようになります。御使いたちが来て、正しい者たちの中から悪い者どもをより分け、
  • 13:50 火の燃える炉に投げ込みます。彼らはそこで泣いて歯ぎしりするのです。