「闇の中から光が輝く。」 イザヤ9章1~7節

今年の世界経済は不況が予測されます。日本も景気後退が加速し、人々は「不足のマインドセット」として物事を実際よりも悪く考えるようになるそうです。「物事が不確かな時、人は正しく考えられなくなる。」そうです。それで占いなどに判断を委ね、良い結果が出るまで占いを続ける病的な状況になる人もいるようです。

健康に関しても同様で、不健康になると健康になる努力をしなくなる人も多くおります。身体は悪化した時の回復は難しくなります。糖尿病、高血圧、肥満、高脂血症など、生活習慣病というだけあって運動不足が原因で発症するのですが、運動を増やす人は少なく、悪化の一途が普通です。

困難を漠然と意識するだけで、現実に解決しようとしないので、不安・苛立ち・ストレスがひどくなり、病んでいってしまうのです。

クリスチャンは、どのように考えるのでしょうか。

まず、究極的には、①「死んでも天国」と考え、不況になっても、病気になっても、不幸になっても、神を信じて生きることが大事です。聖書の信仰者達には不幸な人が多かったのです。迫害を受けても、病気になっても、自分を理解する人がいなくても、彼らは神を信じ続けたのです。「彼らは、刈り入れ時に喜ぶように、分捕り物を分けるときに楽しむように、あなたの御前で喜ぶ。」(3)。信仰を持って喜んで生きる人は幸いです。

また、②「不思議な助言者」によって知恵と解決法を教えられることは大事です。祈るということを知らない、身に付けない人が多いのですが、それでは未信者と変わりありません。また、初詣のように、神に願い事ばかりをして、神任せ、運任せの人も多くおります。祈りとは、神に聴くことであり、助言と導きを求めることです。

③「力ある神」は、私たち信者が試練や苦難にあったら必ず助けてくださいます。昔、私は「なぜ神は助けて下さらないのか」と祈って文句を言ったことが何回もありましたが、過ぎ去ってみると私には必要な沈黙の時でした。「神のご計画にしたがって召された人たちのためには、すべてのことがともに働いて益となることを、私たちは知っています。」(ローマ8・28)という体験を積まなければなりません。

④「永遠の父」は、あなただけの神でも、私だけの神でもありません。父は、正義と公正をもって、私たち信者が成長すること、聖くなることを願い、図らっておられるのです。

⑤「平和の君」は、喧嘩や争いによって決着をつけたがる愚かな人間から離れて見守っておられます。人は罪深く、自分の益になるために争いをし、戦争までします。そして、多くの犠牲がでます。その様相を主イエスは見ておられました。そして、自らを殺そうとする人々に対して、「父よ、彼らをお赦しください。彼らは、自分が何をしているのかが分かっていないのです。」(ルカ23・34)と取りなされるのです。

人間は、本当に罪深く、自己中心です。このような神に対して信仰を持つことなく、争いを続け、自分だけの繁栄を願っています。しかし、実は、それは神の国に迎えられる信仰者をふるいにかけるためのものなのです。「見なさい。サタンがあなたがたを麦のようにふるいにかけることを願って、聞き届けられました。」(ルカ22・31)。

自己中心で、自分勝手、自らの益となることばかりを求める罪深い人間が、神を知り、聖められて、神の国に相応しい義人になっていくのです。

人生の栄枯盛衰、喜怒哀楽、艱難辛苦、その中でどう対応し、どのようになっていくか、それは私たち自身が決められることなのです。

イザヤ9章1~7節

  • 9:1 しかし、苦しみのあったところに闇がなくなる。先にはゼブルンの地とナフタリの地は辱めを受けたが、後には海沿いの道、ヨルダンの川向こう、異邦の民のガリラヤは栄誉を受ける。
  • 9:2 闇の中を歩んでいた民は大きな光を見る。死の陰の地に住んでいた者たちの上に光が輝く。
  • 9:3 あなたはその国民を増やし、その喜びを増し加えられる。彼らは、刈り入れ時に喜ぶように、分捕り物を分けるときに楽しむように、あなたの御前で喜ぶ。
  • 9:4 あなたが、彼が負うくびきと肩の杖、彼を追い立てる者のむちを、ミディアンの日になされたように打ち砕かれるからだ。
  • 9:5 まことに、戦場で履いたすべての履き物、血にまみれた衣服は焼かれて、火の餌食となる。
  • 9:6 ひとりのみどりごが私たちのために生まれる。ひとりの男の子が私たちに与えられる。主権はその肩にあり、その名は「不思議な助言者、力ある神、永遠の父、平和の君」と呼ばれる。
  • 9:7 その主権は増し加わり、その平和は限りなく、ダビデの王座に就いて、その王国を治め、さばきと正義によってこれを堅く立て、これを支える。今よりとこしえまで。万軍の【主】の熱心がこれを成し遂げる。