今週のメッセージ「ヤコブの苦しみと成熟。」 創世記45章25~46章4節
私が注意するのは、たとえ偉大な信仰者であろうと、イエス様以外の人を理想としたり完璧と捉えたりするのは危険であるということです。劣等感のある人は、そのように人を理想化し、自分を卑下する傾向があります。日本では、道徳教育の為に忠孝を尽くした偉人の伝記が盛んでした。しかし、それは弱さや欠点を省いた視点の理想像であり、人を教育し、洗脳するために用いられました。そのような考え方をもってしまうと人の欠点や落ち度に腹が立ちやすくなります。そして、信頼し、尊敬した人でも、その欠点を見出すと、安易に離反する傾向があり、不安定な生活を送ることになります。
そのような考え方の人が聖書を読んでも、自分に都合の良い教訓的な内容ばかりを参考にしてしまいます。注意しなければならないのは、宗教指導者でもそのような傾向の人がいることです。信者を自分の都合の良い罪責感の強い人に育て上げて、忠実を強いることです。新興宗教の洗脳方法です。そのようにして家族とも仲良くできなくなります。
さて、先週は、ヤコブの4人の妻たちの争いによって12人の息子たちの気性が荒くなり、ヨセフを殺そうとするまでになったこと、しかし、その中から悔い改めたヨセフとユダが神の祝福を受けたことを話しました。
皆さんは、それを知ってヤコブはだめな夫であったと考えたでしょうか。
双子のエサウとヤコブが生まれた時、父イサクは60歳でした。「ヤコブは穏やかな人」(創世記25・27)でした。猟から帰って疲れ切り、空腹だったエサウが、ヤコブの料理している煮物を求めると、ヤコブは、「今すぐ私に、あなたの長子の権利を売ってください。」(31)と求め、「長子の権利を侮った」(34)は、簡単に譲りました。
このような行動を取ったのは母の影響が大きいと思われます。「リベカはヤコブを愛していた。」(28)。イサクが老いたので長男のエサウを祝福しようとしたのを知った母リベカは、自分で美味しい料理を作り、その祝福をヤコブに注がれるようにして、もし呪われるなら、「子よ、あなたへの呪いは私の身にあるように。」(27・13)と従わせます。要するに、マザコンの息子になったので、後に、妻たちの要求を断れない優柔不断な男になったのです。強引に子供を従わせる習慣を身に付けると、その性格にも影響を与えてしまいます。それは、父親でも同じです。親の権威と圧力で子供を従わせると、優柔不断な判断力のない子か、反発心の強い子などになります。かといって、何も子供に干渉せず、放任すると、社会的マナーを身に付けなくなったりします。多くの家庭では、父親と会話のない家族が多いので、育った男性は女性との交流が身に付いていません。
ヤコブは、「カナンの娘たちの中から妻を迎えてはならない。」(28・1)と命じられ、兄の怒りも恐れ、旅立つと石を枕にして寝ます。そこで、「わたしはあなたとともにいて、あなたがどこへ行っても、あなたを守り、あなたをこの地に連れ帰る。わたしは、あなたに約束したことを成し遂げるまで、決してあなたを捨てない。」(15)という神の約束を聞きます。そして、什一献金の誓いを立てて、信仰の歩みを始めます。
裕福な家で甘やかされて育ったヤコブが、長い旅の末に従妹のラケルに出会い、泣き崩れます(11)。頼りの叔父ラバンは、ずる賢く、14年もタダ働きをさせられます。ラバンは、「あなたのおかげで主が私を祝福してくださった」(27)と報酬を約束して留まるように言います。
通常、あまり生まれないまだら毛とぶち毛と黒毛の羊と山羊を報酬に求めたヤコブは、知恵を尽くしてそれらが繁殖するように努力します。「このようにして、この人は大いに富み、多くの群れと、男女の奴隷、それにらくだとろばを持つようになった。」(43)。神の祝福とは、本人の真剣な願いと努力をもって得られるものです。「確かにわたしは、あなたを大いに祝福し、あなたの子孫を、空の星、海辺の砂のように大いに増やす。あなたの子孫は敵の門を勝ち取る。」(創世記22・17)とアブラハムに約束された祝福が、親譲りのものを持たないヤコブにも注がれたのです。そして、「私の父の神は私と共におられる。」(31・5)と言えるようになったのです。
兄エサウとの再会では、「ヤコブは非常に恐れ、不安になった。」(32・7)。その恐れの中に神の使いが現れ、「彼と格闘した。」(24)。そして、祝福を求め、「あなたの名は、もうヤコブとは呼ばれない。イスラエルだ。あなたが神と、また人と戦って勝ったからだ。」((28)と言われたのでした。20年を経て、マザコンから変わっていったのです。
「ヤコブは自分の家族と、自分と一緒にいるすべての者に言った。『あなたがたの中にある異国の神々を取り除き、身をきよめ、衣を着替えなさい。私たちは立って、ベテルに上って行こう。私はそこに、苦難の日に私に答え、私が歩んだ道でともにいてくださった神に、祭壇を築こう。』」(35・2.3)。この後、愛するヨセフとの別れなどの試練の後に、エジプトの「ファラオを祝福し」(47・7)、「いろいろな災いがあり」と振り返っています。権威ある老人の姿です。
創世記45章25~46章4節
- 45:25 彼らはエジプトから上って、カナンの地、彼らの父ヤコブのもとへ戻って来た。
- 45:26 彼らは父に告げた。「ヨセフはまだ生きています。しかも、エジプト全土を支配しているのは彼です。」父は茫然としていた。彼らのことばが信じられなかったからである。
- 45:27 彼らは、ヨセフが話したことを残らず彼に話して聞かせた。ヨセフが自分を乗せるために送ってくれた車を見ると、父ヤコブは元気づいた。
- 45:28 イスラエルは言った。「十分だ。息子のヨセフがまだ生きているとは。私は死ぬ前に彼に会いに行こう。」
- 46:1 イスラエルは、彼に属するものすべてと一緒に旅立った。そしてベエル・シェバに来たとき、父イサクの神にいけにえを献げた。
- 46:2 神は、夜の幻の中でイスラエルに「ヤコブよ、ヤコブよ」と語りかけられた。彼は答えた。「はい、ここにおります。」
- 46:3 すると神は仰せられた。「わたしは神、あなたの父の神である。エジプトに下ることを恐れるな。わたしはそこで、あなたを大いなる国民とする。
- 46:4 このわたしが、あなたとともにエジプトに下り、また、このわたしが必ずあなたを再び連れ上る。そしてヨセフが、その手であなたの目を閉じてくれるだろう。
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