「エルサレムの滅亡。」 ルカ21章20~32節
イスラエルという国は、先週までにお話ししたヨセフに導かれて、父イスラエルと12人の兄弟がエジプトに移住し、12部族に分かれて繁栄増大したことに始まります。そして、モーセに率いられ40年の長旅を経て、神がアブラハムに約束した地に戻ったのです。「カナンの全土を、あなたとあなたの子孫に永久の所有として与える。わたしは、彼らの神となる。」(創世記17・8)。
イスラエル王国はアッシリアに滅ぼされ、ユダ王国はバビロニアに占領されましたが、ダニエルらの活躍によって自治州として存続し、マカバイ戦争(外典に記録)によって独立しましたが、ローマ帝国への度重なる反逆によって、135年ユダヤ人はパレスチナでの居住が許されないことになりました(ディアスポラ、離散)。
ヨーロッパではユダヤ人には土地所有の自由はなかったため彼らは都市に流れ込んで居住区を作り、主に手工業(鍛冶屋や皮鞣し屋など)か商人になりました。エルサレム奪回を図る十字軍によって、ユダヤ人もキリスト教徒の敵として迫害され、虐殺されました。
ユダヤ人は「金貸し」が許されていたことから、商業の復活に伴って豊かになり、貧しいキリスト教徒の恨みをかうこととなりました。1215年、ローマ教皇は全ての異教徒に対し「差別バッジ」を付けさせ、ユダヤ教徒はイスラム教徒らと共に標識を身に着けなければならなくなりました。13~14世紀、キリスト教徒はユダヤ教がイエスを救世主として認めないこと、イエスを裏切ったのがユダヤ人だったことなどを口実に、しばしば激しい迫害、時として集団的な虐殺を行うようになりました。
ナチス=ドイツは、ユダヤ人絶滅を目指す狂気の行動となり、約600万人のユダヤ人が強制収容所に送られ、アウシュヴィッツなどの絶滅収容所でユダヤ人の大量殺害(ホロコースト)が実行され、犠牲者は560万から590万にのぼると考えられています。大戦後は急速にユダヤ国家建設への同情が集まり、国際連合のパレスチナ分割決議をうけて、1948年5月14日にイスラエルを建国しました。反発したアラブ連盟との間で直ちにパレスチナ戦争(第一次中東戦争)が勃発、その結果多数のパレスチナ難民が発生し、深刻なパレスチナ問題を生み出したのです。
ヨセフの苦難が家族を救い、イスラエル民族を民族として結束させ、文化的基盤を形成させたことを確認してきました。その後も、バビロン捕囚、ダニエルの預言の通りの大迫害などがあり、イエス様の預言のような試練も続きます。信仰者は、「様々な試練の中で悲しまなければならないのです」(Ⅰペテロ1・6)。
人間中心思想(ヒューマニズム)の人は、「なぜ終末があるのか。」「神は世を滅ぼすほど愛がないのか。」などと言います。「わたしが来たのは世をさばくためではなく、世を救うためだからです。わたしを拒み、わたしのことばを受け入れない者には、その人をさばくものがあります。わたしが話したことば、それが、終わりの日にその人をさばきます。」(ヨハネ12・48.49)。
イスラエルの法律では、ユダヤ人とは、「ユダヤ人の母から産まれ、あるいはユダヤ教徒に改宗した者で、他の宗教の成員ではない者」と定義しています。ユダヤ教とは、ヘブライ語聖書を聖典とし、モーセに与えられた律法(トーラー)の遵守、安息日の厳守、偶像崇拝の禁止などを特徴とします。神と人との直接的な契約に基づき、生活全般にわたる戒律の実践を重視する宗教です。
現在、イスラエルは武力による自国防衛を謀っています。それは、聖書や歴史に基づき、イスラエルが攻撃されることを現実として受け取っているからです。日本の熱心なクリスチャンで、終末を直ぐにある現実なものと受け留めている人がどれだけいるかと懸念します。まして、この期に及んでなお、何の準備もせずに平和を期待しているとは、聖書を信じていない証拠となります。
現世利益追求の風潮は、神や霊によって力や祝福を得たいという願いの現れですが、そこには人格的成長よりも、他の人との競争が起こって、人生を破滅させるかもしれません。「わたしに向かって『主よ、主よ』という者がみな天の御国に入るのではなく、天におられるわたしの父の御心を行う者が入るのです。」(マタイ7・21)。
ユダヤ人、イスラエルがどれだけ神の国に迎え入れられるかはわかりません。ただ、現実に彼らは戒律を守り、不自由な信仰生活を甘受しているのです。「自分を捨て、自分の十字架を負って、わたしに従って来なさい。 自分のいのちを救おうと思う者はそれを失い、わたしのためにいのちを失う者はそれを見出すのです。 人は、たとえ全世界を手に入れても、自分のいのちを失ったら何の益があるでしょうか。そのいのちを買い戻すのに、人は何を差し出せばよいのでしょうか。人の子は、やがて父の栄光を帯びて御使いたちとともに来ます。そしてそのときには、それぞれその行いに応じて報います。」(マタイ16・24-27)
ルカ21章20~32節
- ルカ21:20 しかし、エルサレムが軍隊に囲まれるのを見たら、そのときには、その滅亡が近づいたことを悟りなさい。
- 21:21 そのとき、ユダヤにいる人たちは山へ逃げなさい。都の中にいる人たちはそこから出て行きなさい。田舎にいる人たちは都に入ってはいけません。
- 21:22 書かれていることがすべて成就する、報復の日々だからです。
- 21:23 それらの日、身重の女たちと乳飲み子を持つ女たちは哀れです。この地に大きな苦難があり、この民に御怒りが臨むからです。
- 21:24 人々は剣の刃に倒れ、捕虜となって、あらゆる国の人々のところに連れて行かれ、異邦人の時が満ちるまで、エルサレムは異邦人に踏み荒らされます。
- 21:25 それから、太陽と月と星にしるしが現れ、地上では海と波が荒れどよめいて、諸国の民が不安に陥って苦悩します。
- 21:26 人々は、この世界に起ころうとしていることを予測して、恐ろしさのあまり気を失います。天のもろもろの力が揺り動かされるからです。
- 21:27 そのとき人々は、人の子が雲のうちに、偉大な力と栄光とともに来るのを見るのです。
- 21:28 これらのことが起こり始めたら、身を起こし、頭を上げなさい。あなたがたの贖いが近づいているからです。」
- 21:29 それからイエスは、人々にたとえを話された。「いちじくの木や、すべての木を見なさい。
- 21:30 木の芽が出ると、それを見て、すでに夏が近いことが、おのずから分かります。
- 21:31 同じように、これらのことが起こるのを見たら、あなたがたは神の国が近いことを知りなさい。
- 21:32 まことに、あなたがたに言います。すべてのことが起こるまで、この時代が過ぎ去ることは決してありません。」
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