「喜びを告げられた人々の後先。」 ルカ福音書2章8~20節 今週のメッセージ

羊飼いたちに御使いが御子の降誕を告げますが、天使が現れるということは簡単にはありません。

① ソドムとゴモラを滅ぼす時に、「アブラハムに隠しておくべきだろうか。」(創世記18・17)として、降臨前の主が御使いと共に現れ、その後、「二人の御使い」(同19・1)がロトを救い出しに現れました。アブラハムが、主の言いつけ通りにイサクを献げようと刃物を取った時にも、御使いは現れました。

② ラバンの所から出ることを促す時に、ヤコブにも現れました。(同31・11)。エサウに会う前にも現れました(32・1)。

③ モーセにも語り掛けました(出3・2)。出エジプトの時は、「陣営の前を進んでいた神の使いは、移動して彼らの後ろに立ち、エジプトの陣営とイスラエルの陣営の間に入った。」(出14・19.20.)。

④ ギデオンにも「力ある勇士よ、主があなたと共におられる。」(士師6・12)と励まします。サムソンの両親にも御使いは現われ、「あなたは不妊で、子を産んだことがない。しかし、あなたは身ごもって男の子を産む。…その子はナジル人」と(同13・3)と告げます。

⑤ エリヤを励まし、パンと水を与えました(Ⅰ列王19・5)。

⑥ ネブカデネザル王から救い出しました。「ほむべきかな、シャデラク、メシャク、アベデ・ネゴの神。神は御使いを送って、このしもべたちを救い出された。王の命令に背いて、自分たちのからだを差し出しても神に信頼し、自分たちの神のほかはどんな神にも仕えず、また拝まないこの者たちを。」(ダニエル3・28)。ダニエルも、「私の神が御使いを送り、獅子の口を塞いで下さったので」(同6・22)守られました。

 天使が語り掛けるのは、神に選ばれた人が気落ちしていて、励ましを必要とする時がヤコブやギデオン、そしてサムソンやエリヤでしょう。アブラハムやモーセ、そしてダニエルは、神が共に働く者として、その御心を伝えるために御使いを遣わしていました。ただし、それは選ばれた一部の人に対してのものでした。 

新約聖書に入ると、ヨセフやマリヤには何度も御使いは現れて、彼らに語り助けます。イエス様には、御使いはいつも仕えていました。イエス様の十字架の死の後には、御使いの働きが変わってきているように思われます。それは神を信じる者たちに仕えるようになっているのです。

コルネリウスというローマの百人隊長は、「敬虔な人で、家族全員とともに神を恐れ、民に多くの施しをし、いつも神に祈りをささげていた。」(使徒10・2)。彼に御使いが現れて、ペテロに会いに行くようにと伝えます。

「主の使いがそばに立ち、牢の中を光が照らした。御使いはペテロの脇腹を突いて彼を起こし、『急いで立ち上がりなさい』と言った。すると、鎖が彼の手から外れ落ちた。」(同12・7)。パウロにも度々、主の使いに助けられています。(同27・23)

「あなたがたは、この小さい者たちの一人を軽んじたりしないように気をつけなさい。あなたがたに言いますが、天にいる、彼らの御使いたちは、天におられるわたしの父の御顔をいつも見ているからです。」(マタイ18・10)。とありますから、子供には御使いが付いているようです。ところが、「あなたがたに言います。だれでも人々の前でわたしを認めるなら、人の子もまた、神の御使いたちの前でその人を認めます。」(ルカ12・8)とあり、神を信じない「わたしを知らないと言う者」(9)からは御使いは離れていくのです。

「御使いはみな、奉仕する霊であって、救いを受け継ぐことになる人々に仕えるために遣わされているのではありませんか。」(へブル1・14)とあります。神を信じ、神の栄光を現わす為に生きている人には、その人を助け仕える為に御使いが共にいるのですが、神を知っているだけの人には、御使いが共にいる必要はないのです。

イエス様のご生誕を祝うクリスマスは、その誕生の目的である人の救いを得た人こそが感謝し喜びを分かち合えるのです。単に、美味しい物を食べたり、遊んだりする日ではありません。

「いと高き所で、栄光が神にあるように。地の上で、平和がみこころにかなう人々にあるように。」(14)。御使いたちが探しても、「平和(平安)」を持つことができたのは、羊飼いたちだけでした。野宿をしながら、神を考え、讃え、祈っていた羊飼いたちは、自分たちが、神に選ばれ、救い主の誕生を目にすることができた幸いを感謝し、「神をあがめ、賛美しながら帰って行った。」(20)のです。

ルカ福音書2章8~20節

  • 2:8 さて、その地方で、羊飼いたちが野宿をしながら、羊の群れの夜番をしていた。
  • 2:9 すると、主の使いが彼らのところに来て、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。
  • 2:10 御使いは彼らに言った。「恐れることはありません。見なさい。私は、この民全体に与えられる、大きな喜びを告げ知らせます。
  • 2:11 今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになりました。この方こそ主キリストです。
  • 2:12 あなたがたは、布にくるまって飼葉桶に寝ているみどりごを見つけます。それが、あなたがたのためのしるしです。」
  • 2:13 すると突然、その御使いと一緒におびただしい数の天の軍勢が現れて、神を賛美した。
  • 2:14 「いと高き所で、栄光が神にあるように。地の上で、平和がみこころにかなう人々にあるように。」
  • 2:15 御使いたちが彼らから離れて天に帰ったとき、羊飼いたちは話し合った。「さあ、ベツレヘムまで行って、主が私たちに知らせてくださったこの出来事を見届けて来よう。」
  • 2:16 そして急いで行って、マリアとヨセフと、飼葉桶に寝ているみどりごを捜し当てた。
  • 2:17 それを目にして羊飼いたちは、この幼子について自分たちに告げられたことを知らせた。
  • 2:18 聞いた人たちはみな、羊飼いたちが話したことに驚いた。
  • 2:19 しかしマリアは、これらのことをすべて心に納めて、思いを巡らしていた。
  • 2:20 羊飼いたちは、見聞きしたことがすべて御使いの話のとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。

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MYoshi
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