「人生の難儀は豊かな宝。」1コリント15章58節　櫻井圀郎師

「それゆえ、愛する私の兄弟たちよ。

汝らの難儀は主にあって空疎でないことを知って安心し、

常に、主の仕事に専念し、有り余るほどに豊かになりなさい。」

８月のサプライズ・ハッピーバースデーで、後期高齢者になったことが再確認されました。「後期高齢者」と言われると「人生の終わり」のように聞こえますが、「人生百年時代」の今では、人生の3/4にすぎません。

　3/4と言うと、会社法や法人法では、特別決議の要件ですが、学校の成績では「良」か「可」です。学校なら卒業できますが、国家試験では「不合格」です。国家試験の合格には「百点満点」を目指すべきですが、百点を目指していては百点が取れません。しかし、千点を目指していれば百点は楽々です。

アダムやノアから見れば、七十五歳なんて小学校２年生。まだまだ、ほんのこどもです。「後期高齢者」が一転、「小学２年生」です。斯様に、人生は、小さな視点ではなく、十倍も大きな視座から見ることが必要です。主から、「良くやった忠実な僕よ」と言われることを目標にしたいものです。

　　　Ⅰ　人生の難儀

人生に難儀はつきものです。

「難儀」と訳した希語は「骨折り」「苦労」「面倒」「労苦」など意味で、現代日本人にはネガティブなようです。昔は日本にも「苦労は勝手でもしろ」という諺がありました。

試験や労働も、病気や怪我であれ、事故や事件であれ、すべて全能の神の御手の内にあることです。この世で生起することは、大小を問わず、大宇宙からウイルスに至るまで、すべて神のお定め、聖定によります。

千点の視座から見れば、百点なんて軽いものでしょう。

　　　Ⅱ　安心して、主の仕事に専念

「それを知って、安心して、主の仕事に専念しなさい」。

第一に「知って」。「知る」には一定の知識が必要です。知識だけではなく、理解ができなければ「知る」には至りません。

それだけでは、ここでいう「知る」には至りません。この「知る」とは、基督を知ること、基督信仰です。基督と一つになることです。

苦労、難儀、労苦、難渋、困難など、基督にあっては、ネガティブイメージではなく、ポジティブイメージです。信仰者を試し、信仰者を訓練し、信仰者を育て養い、信仰者を強め、信仰者を、あたかも基督であるかのように強めるのです。

学校の試験や国家試験で苦しんでいる人がいますか。その人は、千点満点を視座に据えた基督と共に受験してください。自分の答案ではなく、基督の答案という意識で。

会社で、家庭で、個人経営で、悩んでいる人は、基督と共に出社し、家事を行い、経営してください。

人間の最大の弱点は、試験を受けていて教科書や参考書が読めないことです。時空の障害がなければ、千点だって可能です。会社でも、家庭でも、経営でも同じです。

その上、聖霊が、懇切丁寧に、個別指導してくれます。自分だけを、聖霊が、導いてくれるのです。

　　　Ⅲ　有り余るほどに富む

「仕事」とは「仕える事」です。「金儲けの労働」とは異なります。ルターは、「全ての信者に二つの召命がある」「一つは基督者への召命であり、もう一つは神の仕事への召命である」と言いました。

英語の「職業」には「vocation」という言い方があります。羅語の「voco」（呼ぶ、召す）に由来する言葉です。「voco」には「一緒に行く」という意味もあるのです。神が召され、神が共に行かれる、基督者の醍醐味です。

だから、試験で百点に留まりません。千点も可能なのです。むしろ、千点を目指さない者は「不信仰者！」と呼ばれるかもしれません。

「有り余るほど豊かになりなさい」と言います。ただし、「主の仕事に専念する」ことが条件です。それには難儀は主にあって空疎ではないと知って、安心することが不可欠です。

1コリント15章58節

• 15:50 兄弟たち、私はこのことを言っておきます。血肉のからだは神の国を相続できません。朽ちるものは、朽ちないものを相続できません。
• 15:51 聞きなさい。私はあなたがたに奥義を告げましょう。私たちはみな眠るわけではありませんが、みな変えられます。
• 15:52 終わりのラッパとともに、たちまち、一瞬のうちに変えられます。ラッパが鳴ると、死者は朽ちないものによみがえり、私たちは変えられるのです。
• 15:53 この朽ちるべきものが、朽ちないものを必ず着ることになり、この死ぬべきものが、死なないものを必ず着ることになるからです。
• 15:54 そして、この朽ちるべきものが朽ちないものを着て、この死ぬべきものが死なないものを着るとき、このように記されたみことばが実現します。「死は勝利に?み込まれた。」
• 15:55 「死よ、おまえの勝利はどこにあるのか。死よ、おまえのとげはどこにあるのか。」
• 15:56 死のとげは罪であり、罪の力は律法です。
• 15:57 しかし、神に感謝します。神は、私たちの主イエス・キリストによって、私たちに勝利を与えてくださいました。
• 15:58 ですから、私の愛する兄弟たち。堅く立って、動かされることなく、いつも主のわざに励みなさい。あなたがたは、自分たちの労苦が主にあって無駄でないことを知っているのですから。