今週のメッセージ「母達の争いが子を荒れさした。」 創世記29章25~35節

 受験シーズンの真っただ中ですが、親の反応が子どもの心理や考え方に大きく影響を与え、その後の人生を左右することが多いようです。

 ヤコブの二人の妻は姉妹でしたが、愛情欲求が激しく嫉妬深かったので、それぞれの女奴隷をも巻き込んで子を産む争いになりました。その性格は、父ラバンに由ることもあります。ラバンは母リベカの兄ですが、欲望の強い人なので、リベカは実家を嫌い、すぐにアブラハムのしもべに従って結婚のために家を出ます。

 イサクとリベカは仲の良い夫婦で、温厚で忍耐深いイサクは「主に祝福されています。」(創世記26・29)とアビメレク王にも言われた程でした。長男エサウの嫁たちが信仰もなく奔放なので、親にとって「悩みの種となった。」(35)ので、ヤコブの嫁はリベカの実家から娶ろうと考えたのでした。粗野な嫁は親を大事にせず、嫌われていました。

 ヤコブは、次女ラケルに一目ぼれをし、7年間の無給労働を約束し、その働きには神の祝福がありました。ラバンは、ヤコブの祝福を見て、騙して更に7年間の無給労働を強いるのです。願わないレアとの結婚を強いられたことによって、ヤコブにはレアに対する嫌悪感もあったでしょう。「主はレアが嫌われているのを見て、彼女の胎を開かれたが、ラケルは不妊の女であった。」(31)。「ラケルは姉に嫉妬し、ヤコブに言った。『私に子どもを下さい。でなければ、私は死にます。』」(30・1)というような醜い争いになり、ラケルは女奴隷をビルハを子を産むために「妻として与え」(4)るのでした。すると、レアも「女奴隷ジルパをヤコブに妻として与えた。」(9)。そんな中でようやくラケルはヨセフを産んだのでした。

 「イスラエルは息子たちの誰よりもヨセフを愛していた。」(37・3)。それでヨセフだけに「あや織りの長服を作ってやっていた。」(3)

 「ヨセフの兄たちは、父が兄弟たちのだれよりも彼を愛しているのを見て、彼を憎み、穏やかに話すことができなかった。」(4)。しかし、甘やかされて育ったヨセフには、兄たちの憎みや嫉みが分からなかったのです。そして、とうとう兄たちに殺そうとされてしまいます。長男ルベンは「あの子を打ち殺すのはやめよう。」(21)と言いますが、他の兄弟の憎しみを抑えることはできません。長男として信頼され、最初の子として愛されていたことがあるかもしれません。

ユダが執り成して殺害をやめ、ラクダの隊商にヨセフを売り渡すのですが、ルベンは嘆きます。ヨセフの長服に山羊の血を浸してヨセフの死をヤコブに伝えると、「ヤコブは自分の衣を引き裂き、粗布を腰にまとい、何日も、その子のために嘆き悲しんだ。」(34)。

後に、ヨセフがエジプトの宰相になって、食料の調達に来た兄たちを厳しく尋問すると、「まったく、われわれは弟のことで罰を受けているのだ。あれが、あわれみを求めたとき、その心の苦しみを見ながら、聞き入れなかった。それで、われわれはこんな苦しみにあっているのだ。」(42・21)と嘆くように、兄たちの心には、その時の咎が苦しめています。この時も、「ヤコブはヨセフの弟ベニヤミンを兄弟たちと一緒に送らなかった。わざわいが彼に降りかかるといけないと思ったからである。」(4)とラケルの子をひいきしています。

 飢饉が続き、再度エジプトに行かなければならないのですが、今度は弟のベニヤミンを連れて行かなければなりません。その時、ユダは、「私自身があの子の保証人となります。私が責任を負います。もしも、お父さんのもとに連れ帰らず、あなたの前にあの子を立たせなかったら、私は一生あなたの前に罪ある者となります。」(43・9)と代償となる誓いをします。これによって、ユダ部族は祝福されたものとなり、ダビデやイエス様の系図となり、今もユダヤ人として存続しているのです。

 ユダは、宰相ヨセフに答弁し、「私の父がこう申しました。『私の妻は二人の子を産んだ。一人はきっと獣に噛み裂かれてしまったのだ。・・・お前たちがこの子まで私から奪って、この子に災いが降りかかるなら、お前たちは白髪頭の私を苦しみながら黄泉に下らせることになる。』」(27-29)。ヤコブは、騙されてレアと結婚し、女奴隷たちとも結婚したけれど、自分の妻はラケルだけだと、息子たちに言っているのです。

 ヨセフが生きていたことを知り、エジプトに来たヤコブは、「ずっと私の羊飼いであられた神よ。」(48・15)と祈り、息子たちを呼び寄せて、それぞれに祝福を祈ります(49章)。

 甘ったれであったヨセフは、試練の中で卓越した者となり、指導者としてエジプトを治めるほどの力を持ちました。執り成しをし犠牲を覚悟したユダも王権を握ることが約束されました。しかし、他の10人は確かに12部族となっていくけれども、祝福を握るものとは言えません。

 母達の在り様と争いが、子ども達の心と人格を歪め、選びの中にありながらも、祝福から逸れていったのです。誰でも試練や誘惑に遭い、育ちも違いますが、信仰を持って歩んだ者だけが、性格も力も成熟させて神の祝福を握っていくのです。

創世記29章25~35節

  • 29:25 朝になって、見ると、それはレアであった。それで彼はラバンに言った。「あなたは私に何ということをしたのですか。私はラケルのために、あなたに仕えたのではありませんか。なぜ、私をだましたのですか。」
  • 29:26 ラバンは答えた。「われわれのところでは、上の娘より先に下の娘を嫁がせるようなことはしないのだ。
  • 29:27 この婚礼の一週間を終えなさい。そうすれば、あの娘もあなたにあげよう。その代わり、あなたはもう七年間、私に仕えなければならない。」
  • 29:28 そこで、ヤコブはそのようにした。すなわち、その婚礼の一週間を終えた。それでラバンは、その娘ラケルを彼に妻として与えた。
  • 29:29 ラバンは娘のラケルに、自分の女奴隷ビルハを彼女の女奴隷として与えた。
  • 29:30 ヤコブはこうして、ラケルのところにも入った。ヤコブは、レアよりもラケルを愛していた。それで、もう七年間ラバンに仕えた。
  • 29:31 【主】はレアが嫌われているのを見て、彼女の胎を開かれたが、ラケルは不妊の女であった。
  • 29:32 レアは身ごもって男の子を産み、その子をルベンと名づけた。彼女が、「【主】は私の悩みをご覧になった。今こそ夫は私を愛するでしょう」と言ったからである。
  • 29:33 彼女は再び身ごもって男の子を産み、「【主】は私が嫌われているのを聞いて、この子も私に授けてくださった」と言って、その子をシメオンと名づけた。
  • 29:34 彼女はまた身ごもって男の子を産み、「今度こそ、夫は私に結びつくでしょう。私が彼に三人の子を産んだのだから」と言った。それゆえ、その子の名はレビと呼ばれた。
  • 29:35 彼女はさらに身ごもって男の子を産み、「今度は、私は【主】をほめたたえます」と言った。それゆえ、彼女はその子をユダと名づけた。その後、彼女は子を産まなくなった

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MYoshi
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