「主が成し遂げさせて下さる。」Ⅱコリント5章18~21節 神谷恵美師

私達が信じている神はどう言う御方なのか。主なる神が私達に委ねられた使命、また使命を果たすためにどれほど素晴らしい力が与えられているか。ご一緒に、御言葉を通して語り掛けて下さる主の御声に耳を傾けて参りましょう。

1.和解

聖書の言葉で「和解」とは慣例や態度を一変させるもの。和解を持ちかけるのは全て神からだ。アブラハム契約(創十五章)の違反の罰を人に負わせず神の御子が十字架で身代わりになった。神が私達を愛しておられるから、神との関係を回復させ、救いの祝福に預からせたいと願い続けて下さっているからだ。

神からの和解を理解するヒントがある。放蕩息子たちの父(ルカ十五章)の例え話だ。父の愛と保護に背を向け出て行った次男を父はずっと待っていた。受け容れて待ち続ける、これが神の和解の第一の面。長男は父の心も愛も理解せず、父の家にいながら父から遠く離れ失われていた。長男に寄り添い根気よくなだめ、戻っておいでと懇願する父の姿は神の和解の第二の面だ。

子どもには難しいことも成長すれば出来るようになる。神は信仰者に和解の務めを委ねるが決して強制しない。主のような人に成長するのを待っておられる。また愛は誰か何かのために働く力を与えてくれる。神はすべての人を聖霊で満たし、神の務めを果たす力を与えて下さる。神との和解がすべての人に必要だからだ。自分の弱さでなく、「土の器」(Ⅱコリント4:7)の内におられる全能の神に目を向けよう。

2.主が成し遂げさせて下さる

さて、獄中でパウロが書いたピリピ人への手紙には「喜び」が繰り返され、先取りの感謝で満ちている。いつ判決が出るのか分らない状況でも、パウロには感謝する根拠があった。彼は、自分の信じる神がどう言う御方を知っていたからだ。

聖書だけを読んでいれば「四日あれば読める」と聞いた事がある。例えば使徒の働きは数時間で読めるが、実際は試練がある度に聖霊を求めて働いた結果の数十年分の記録。私達は自分の願いや祈りに素早い神の答えを期待してしまうが、神はあなたの救いをどのくらい待って下さったでしょう。今のあなたになるまでどの位忍耐して下さっていたでしょう。神は忍耐強く、諦めない御方です。

神がまず私達を愛し、救い主を遣わし、救い主を伝える使命を与え、共にいると約束し、もう一人の助け主聖霊を遣わし、聖霊の力で満たして助け、神が御計画を完成させて下さるのです。 

3.必ず成し遂げられる 

新約聖書が書かれたギリシャ語では、将来確実に起こることを未来時制で表す。ですから神の約束は未来時制で書かれている。神の言葉は将来確実に事柄になるのです。人には不確かに見えても、救いの計画を神が必ず成就させて下さるから、獄中でもパウロは先取りの感謝が出来たのです。

人はそもそも神に愛され、神と協働する者として造られた者。聖霊で満たして、神の計画を一緒に完成させて下さいます。神の計画が聖霊の力で完成するなら、人の不安も頑張りも不要ですね。

聖霊の力を求め続け、「あなたの願いに私を用いて下さい」と祈りませんか。強制はなさいませんが、神の子どもとして生まれたあなたが成長するのを願って待っておられます。頑張ったけれど駄目だった…と思っている方には「私の所に来て重荷を降ろしなさい。私のもとで休んだら、さぁ一緒に立ち上がろう」と言って下さっています(マタイ11:28)。

最後に、ジグソーパズルはお好きですか?本当に完成するのか、何も変わらないように思う時があります。そんなパズルのように時間が掛かり、私達があせっても、あなたの内に始められた計画を主は必ず完成させて下さいます。共に主を見上げて参りましょう。あなたの信仰と求めに応えて下さる主を体験しますように!

Ⅱコリント5章18~21節

  • 5:18 これらのことはすべて、神から出ています。神は、キリストによって私たちをご自分と和解させ、また、和解の務めを私たちに与えてくださいました。
  • 5:19 すなわち、神はキリストにあって、この世をご自分と和解させ、背きの責任を人々に負わせず、和解のことばを私たちに委ねられました。
  • 5:20 こういうわけで、神が私たちを通して勧めておられるのですから、私たちはキリストに代わる使節なのです。私たちはキリストに代わって願います。神と和解させていただきなさい。
  • 5:21 神は、罪を知らない方を私たちのために罪とされました。それは、私たちがこの方にあって神の義となるためです。