「信仰生活の土台」　申命記5章16～21節

信仰生活の土台としては、やはり十戒にあります。

　第四戒までは神に対してであり、後日詳しくまとめます。第五戒の両親に対する態度が、第六戒以降の人間としての社会的戒めと神に対する態度とを結ぶものとされています。

　人は、自己中心な存在（罪人）なので、誰に対しても自分の都合の良いように期待し要求します。親に対しても同様で、物わかりの良く、自分に優しい親を期待し、自分に都合が悪いと不満を言います。そのような態度を身に付けたら社会には対応できません。褒めて育てろと最近は言われますが、褒められることを求めて軽薄な行動に出たり、困難に遭うと挫折したりします。

　「自分の父または母を打つ者は必ず殺されなければならない。」（出エジプト２１・15）、「自分の父や母を罵る者は、必ず殺されなければならない。」（同17）、「ある人に強情で逆らう子がいて、父の言うことも母の言うことも聞かず、父母に懲らしめられても聞こうとしない場合、…町の人はみな彼を石で打ちなさい。彼は死ななければならない。」（同２１・18.21）とあります。

　親を敬い、従えない子は、成長しても社会に適合できず、罪を犯すことになるから、他の者に悪影響を与えない為にも、厳しく罰しておかなければならない、ということです。

　現代は、厳しさに対して多くの攻撃があります。ちょっとした意に沿わないことがあると、人を批判攻撃します。人を責めることは安易にするくせに、自分には甘いので、直ぐに問題を起こします。問題を起こしたことに対して、厳しく指導すると、逆に反論されます。要するに、サタンの企みの中に社会が営まれているのです。親を尊敬し、自分の思惑や考えよりも、従うことを優先できない者に、神を信じることはできません。子どもを躾けることにおいて、厳しさを持つということは現代社会ではなかなか困難なことになってしましました。それが世の終わりということだと思います。

　「その土地で幸せになる」（16）という社会秩序を保ち生きる為の基礎が「親を敬う」ということなのです。親を敬う子どもに育てるのです。そのような親になる自信も能力もない、と考える人もいるでしょうが、敬虔に神を信じ従うことが大事です。

　第六戒の「殺してはならない。」も、どのように育ったかによって大きく影響します。心がどのように形成されるか、親を尊敬して育てば、荒々しい殺人を犯す人にはならないでしょう。故意の殺人は死刑です。過失の殺人は、逃れの町に逃げ込み、大祭司が死んだら、免罪になります。イエス様が、罪を負って死なれることの預言の律法です。

　現代は、性的に放縦な社会です。セックスが単なる快楽の手段として、結婚しなくても営まれます。浮気という言葉は、それがもたらす人格・結婚・生活の破壊の恐ろしさを薄めてしまっています。現代では、サタンの最も有効な罠が性的な惑わしです。

　「盗んではならない。」という第八戒を慎重に守ることは、神からの祝福の秘訣だと思います。強盗、窃盗、泥棒 万引き、置き引き、強盗殺人、 ピッキング、空き巣、盗作、産業スパイ、スリ、略奪、横領、横取り、等々。私は５、６回盗まれました。貸した金を返さない人も４人。道徳心が欠如しており、人を騙したり盗んだりすることを平気で行います。幸せ隣人のものを欲しがってはならない。」には決してなれない人々です。案外、近くにいるものです。

　「偽り」を言う人も多くおります。自尊心が強く、見栄を張る人には気を付けた方が良いでしょう。誰とも仲良くしようとする人がいますが、騙されることになるでしょう。自分を正当化するために偽りを言って、それを自ら信じ込んでしまうような人もおります。歳を経て悟ってきたことは、あまり多くの人と交流しようとしないほうが安全だということです。慎重に生きているうちに、親しい人は現れるものです。

　「隣人のものを欲しがってはならない。」。その最初に「隣人の妻」とあることに注意した方が良いでしょう。おかしな女性は、自分がモテることを欲しています。比較したり、優越感を持とうとする人は、信仰者として誠実な人生を送ることはできません。「貧しくて、誠実に歩む者は、富んでいて、曲がった道を歩む者にまさる。」（箴言２８・6）。

　私は、権力を持とう、有名になろう、金持ちになろう、と熱心な人々が嫌いです。むろん、そのような傾向と欲望は私にもありますが、それでは私の仕える主イエスに申し訳が立たないと思うからです。

　私たちも、成功者とみなされるようになってきました。人が寄ってきて、教えを乞うこともあります。しかし、悟って来たことは、敬虔なクリスチャンは少なく、この世の人に知恵を語っても神の祝福の道はわからないということです。

　色々と失敗をしながらも、主イエスへの信仰を土台として、生きて来たつもりです。「この土台の上に、金、銀、宝石、木、草、藁で家を建てると、それぞれの働きは明らかになります。『その日』がそれを明るみに出すのです。」（Ⅰコリント３・12.13）。

申命記5章16～21節

• 5:16 あなたの父と母を敬え。あなたの神、【主】が命じたとおりに。それは、あなたの日々が長く続くようにするため、また、あなたの神、【主】があなたに与えようとしているその土地で幸せになるためである。
• 5:17 殺してはならない。
• 5:18 姦淫してはならない。
• 5:19 盗んではならない。
• 5:20 あなたの隣人について、偽りの証言をしてはならない。
• 5:21 あなたの隣人の妻を欲してはならない。あなたの隣人の家、畑、男奴隷、女奴隷、牛、ろば、すべてあなたの隣人のものを欲しがってはならない。」