「勝利をもたらす忍耐」 へブル10章30~39節
私が大事にしていることは、忍耐、謙遜、誠実、信念、勇気、などです。愛という言葉は、内容があり過ぎており、世の中で安易に使われているので、あまり使わないようにしています。40歳を過ぎてからは、忍耐を一番心がけています。
30、40歳代は試練があり過ぎて、どのようにしたら良いか途方に暮れ、結果的に忍耐を強いられたようでした。祈りながら、浅はかなことをすると人生が取り返しのつかないことになると思ったのです。批判され、攻撃され、問題が山積みになり、神に祈っても解決せず、コツコツと一つずつ対処してきました。振り返れば、御心の中を歩んで来れたと思い返します。
世の中を見ていて、待つことのできない人が多くなっています。結果を求められる育て方をされ、社会でもそのように要求されてきたからでしょう。私の年賀状を見て感心し、どのような子育てをしているのかと聞いてこられる人が何人かおりました。私は特に何もしていない、と答えました。ただ、勉強しろ、とか結果を出せ、とかは決して言わず、見栄を張ると高く付くよ、とは言っていました。3女の本を読んで、私の考え方がしっかりと身に付いた行動を取っていたことがわかり、嬉しく思いました。自分の満足のいく生き方を求めて、上場会社での昇格を断り、3年半も世界旅行をして、その後も、自分の願う会社を探して就職活動をし、ついでにその面接で結婚相手を見つけたわけです。長男も20年近く税理士試験を受け続けてようやく資格を得ました。私は、その長年の受験を褒めました。
新約聖書には「忍耐」という言葉が43回あります。「良い地に落ちたものとは、こういう人たちのことです。彼らは立派な良い心でみことばを聞いて、それをしっかり守り、忍耐して実を結びます。」(ルカ8・15)が最初です。「あなたがたは、忍耐することによって自分のいのちを勝ち取りなさい。」(ルカ21・19)は、終末の試練に際する戒めです。
一攫千金を狙う人は必ず破綻します。実際、宝くじを当てた人の多くは、人生に失敗しているそうです。ラッキーや運で成功しようとしてはいけません。仕事もコツコツと力を付けて、信仰者としてやりがいのある働きをすることを心掛ける必要があります。報われない、などと安易に判断してはいけません。
ウイリアム・ウッド先生の機関誌でニッカウヰスキーの創業者竹鶴政孝の妻、スコットランド人のリタのことが紹介されていました。1919年、23歳で結婚し、41歳の時に始まった太平洋戦争で敵国人として迫害され、石を投げつけられたりしました。「日本人より日本人らしい。」といわれるほど努力を惜しまず、夫を支えました。敬虔なクリスチャンであったリタは64歳で亡くなりましたが、後に夫も洗礼を受け、二人の墓には十字架が刻まれているそうです。
聖書には、神こそが忍耐されていることを示しています。
「神は忍耐をもって、これまで犯されてきた罪を見逃してこられたのです。」(ロマ3・25)。
「神のいつくしみ深さがあなたを悔い改めに導くことも知らないで、その豊かな慈しみと忍耐と寛容を軽んじているのですか。」(ロマ2・4)
「忍耐と励ましの神があなたがたに、キリスト・イエスにふさわしく、互いに同じ思いを抱かせてくださいますように。」(ロマ15・5)
私は目標とする人物としてアブラハムを捉えています。父テラは、「カナンの地に行くために一緒にカルデア人のウルを出発した。しかし、ハランまで来ると、彼らはそこに住んだ。」(創11・31)。アブラハムは、父がこの世の誘惑に囚われてしまった中で戸惑い、神に祈るわけです。神は、「あなたの土地、あなたの親族、あなたの父の家を離れて」(12・1)と旅立ちを示します。
私は、12歳の時に、因習としがらみに囚われた生活から抜け出すために前橋から出ることを決めました。貧しく、誰も大学に行ってない家族で独り立ちするために、勉強を始め、自己養成に務めました。誰も助けてはくれませんし、相談する人もいません。
アブラハムの時代に、未知の土地に旅立つことは勇気のいることです。年齢も75歳です。だからこそ、「自分に現れてくださった主のために祭壇を築いた。」(12・7)のです。すがるのは、神だけでした。その後も多くの試練がありました。86歳まで子がおりませんでした。しかし、「アブラムは主を信じた。それでそれが彼の義と認められた。」(15・6)。この世で報われなくても、忍耐をもって為すべきことを果たしていく為には、信仰が必要です。「このようにして、アブラハムは忍耐の末に約束のものを得たのです。」(へブル6・15)。
へブル10章30~39節
- 10:30 私たちは、「復讐はわたしのもの、わたしが報復する。」また、「主は御民をさばかれる」と言われる方を知っています。
- 10:31 生ける神の手の中に陥ることは恐ろしいことです。
- 10:32 あなたがたは、光に照らされた後で苦難との厳しい戦いに耐えた、初めの日々を思い起こしなさい。
- 10:33 嘲られ、苦しい目にあわされ、見せ物にされたこともあれば、このような目にあった人たちの同志となったこともあります。
- 10:34 あなたがたは、牢につながれている人々と苦しみをともにし、また、自分たちにはもっとすぐれた、いつまでも残る財産があることを知っていたので、自分の財産が奪われても、それを喜んで受け入れました。
- 10:35 ですから、あなたがたの確信を投げ捨ててはいけません。その確信には大きな報いがあります。
- 10:36 あなたがたが神のみこころを行って、約束のものを手に入れるために必要なのは、忍耐です。
- 10:37 「もうしばらくすれば、来たるべき方が来られる。遅れることはない。
- 10:38 わたしの義人は信仰によって生きる。もし恐れ退くなら、わたしの心は彼を喜ばない。」
- 10:39 しかし私たちは、恐れ退いて滅びる者ではなく、信じていのちを保つ者です。
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