「彼らは御前から取り除かれた。」Ⅱ列王記17章13~23節

人の本性は罪であり、そのままでは悪の限りを尽くしてしまいます。しかし、それを放置すると社会は乱れ、暴力と混乱の世になるので、人は互いに自制し合い、法や制度によって統治して平和を図ります。それでも、平和が続くと必ず世は乱れ、快楽と不正が蔓延ります。誠実な信仰生活を過ごそうと願う人々は現代社会の退廃に困惑する者です。

神は「悪の道から立ち返れ。」(13)と警告されますが、「うなじのこわい者」(14)(頑なで言うことを聞かない者)なので、これを聞き入れないのです。聖書を読むと、そういう頑なな人々に対する罰として、神は自然災害や疫病、そして病気や不幸を与えてきました。しかし、罪人とは悔い改めをしない人のことで、政治や経済の人々の有様、或は日常生活の営みにも現れます。「彼らは主のおきてと、主の契約と、主の警告とをさげすみ、むなしいものに従って歩んだので、自分たちもむなしいものとなり、主が、ならってはならないと命じられた周囲の異邦人にならって歩んだ。」(15)。

詩篇一編には「主の教えを喜びとし、昼も夜も、その教えを口ずさむ人。その人は、流れのほとりに植えられた木。時が来ると実を結び、その葉は枯れず、その為すことは全て栄える。悪しき者は、風が吹き飛ばす籾殻だ。」などが記されています。私たちは、現代社会がこの滅びゆくイスラエルの人々のようであると気が付かなければなりません。「占いをし、まじないをし、裏切って主の目の前に悪を行い、主の怒りを引き起こした。」(17)。

聖書を読んでいると、何故彼らは素直に悔い改めないのか、と思うことはしばしばあります。現代社会の俗悪さを、それに染まっている人は気が付きません。自然災害も、自然を犠牲にして成長と繁栄を願うことの必然の結果です。昨夜、発がん性と腸内細菌を殺す作用のある小麦が日本に輸入され、日本政府はそれらの規制を緩やかにしているという情報を、週報送付の人に送りました。これらの除草剤や遺伝子組み換え作物によってアレルギーやがん、そして発達障害が起こっていることを私は警告しています。コロナワクチンも同じような経済的利得の手段として用いられていることは明らかです。彼らが裁かれることはもちろんですが、それを黙認し、妥協していることも、このイスラエルの民と同じなのです。

ソロモン王の死後、イスラエル王国は、北イスラエルと南ユダに分かれ、南ユダにはユダ部族とベニヤミン部族、そして神に仕えるレビ部族が付きます。南ユダはダビデの家系を守り、良い王と悪い王が継いでどうにか国が守られます。しかし、北イスラエルは、次々に悪王が支配します。そして遂に紀元前722年、アッシリアによって滅ぼされ、住民は連れていかれ、離散します。

「アッシリヤの王は、人々を連れて来て、イスラエルの人々の代わりにサマリヤの町々に住ませた。」(17・24)。それで、サマリヤに住んだのはイスラエルの人々ではなく、現在のイスラエルの国に住んでいるのは、基本的にユダヤ人、つまり南ユダの子孫です。「主はイスラエルに対して激しく怒り、彼らを御前から取り除いた。ただユダの部族だけしか残されなかった。」(18)

南ユダはこの時期にはヒゼキヤ王が名君として国を栄えさせ、「主に信頼していた。」アッシリヤにも攻められましたが、侮辱するアッシリヤの将軍の言葉に対して主に祈ります。すると預言者イザヤを通して「主は言われる。わたしをののしった、あの言葉を恐れるな。」(Ⅱ列王19・6)。「その夜、主の使いが出ていき、アッシリアの陣営で18万5千人を打ち殺した。」(19・35)。

私は、新型コロナウイルスとワクチンなどの災害の背景に神の御手を感じます。大雨や洪水なども、神に対抗する自然破壊と侵害に対する神の罰を覚えます。預言書や黙示録を読めば、歴史の最後には主の裁きがあることは明白です。人生の後にも、主の裁きがあります。

「幸いなことよ。悪しき者のはかりごとに歩まず、罪人の道に立たず、嘲る者の座に着かない人。」(詩篇1・1)。

Ⅱ列王記17章13~23節

  • 17:13 主はすべての預言者とすべての先見者を通して、イスラエルとユダとに次のように警告して仰せられた。「あなたがたは悪の道から立ち返れ。わたしがあなたがたの先祖たちに命じ、また、わたしのしもべである預言者たちを通して、あなたがたに伝えた律法全体に従って、わたしの命令とおきてとを守れ。」
  • 17:14 しかし、彼らはこれを聞き入れず、彼らの神、主を信じなかった彼らの先祖たちよりも、うなじのこわい者となった。
  • 17:15 彼らは主のおきてと、彼らの先祖たちと結ばれた主の契約と、彼らに与えられた主の警告とをさげすみ、むなしいものに従って歩んだので、自分たちもむなしいものとなり、主が、ならってはならないと命じられた周囲の異邦人にならって歩んだ。
  • 17:16 また、彼らの神、主のすべての命令を捨て、自分たちのために、鋳物の像、二頭の子牛の像を造り、さらに、アシェラ像を造り、天の万象を拝み、バアルに仕えた。
  • 17:17 また、自分たちの息子や娘たちに火の中をくぐらせ、占いをし、まじないをし、裏切って主の目の前に悪を行い、主の怒りを引き起こした。
  • 17:18 そこで、主はイスラエルに対して激しく怒り、彼らを御前から取り除いた。ただユダの部族だけしか残されなかった。
  • 17:19 ユダもまた、彼らの神、主の命令を守らず、イスラエルが取り入れた風習に従って歩んだ。
  • 17:20 そこで、主はイスラエルのすべての子孫をさげすみ、彼らを苦しめ、略奪者たちの手に渡し、ついに彼らを御前から投げ捨てられた。
  • 17:21 主がイスラエルをダビデの家から引き裂かれたとき、彼らはネバテの子ヤロブアムを王としたが、ヤロブアムは、イスラエルを主に従わないようにしむけ、彼らに大きな罪を犯させた。
  • 17:22 イスラエルの人々は、ヤロブアムの犯したすべての罪に歩み、それをやめなかったので、
  • 17:23 ついに、主は、そのしもべであるすべての預言者を通して告げられたとおり、イスラエルを御前から取り除かれた。こうして、イスラエルは自分の土地からアッシリヤへ引いて行かれた。今日もそのままである。