「平和が御心に適う人々に。」 ルカ2章8~20節

 日本やアジアは温帯多雨なので、農業が盛んで多くの人を養うことができました。昔のイスラエル地方は、それほど肥沃ではなく、小麦、大麦、葡萄、オリーブなどに限られていたので、牧畜が盛んだったのです。基本的には年長者が農業をし、若い者は羊飼いで、日夜羊の世話をしなければならなかったのです。詩篇23篇にあるように、耕作の困難な岩場の中で緑の牧場を探して羊を導き、水の少ない荒れ地で水際に伴ったのです。「義の道」(詩篇23・3)に導くことは、熟練した羊飼いでなければできず、「死の陰の谷」もあり、野獣も多くいて「むちと杖」(23・4)、そしてダビデのように石投げでやっつけました。

 「ダビデはサウルに言った。『しもべは、父のために羊の群れを飼っています。獅子や、熊が来て、群れの羊を取って行くと、私はそのあとを追って出て、それを殺し、その口から羊を救い出します。それが私に襲いかかるときは、そのひげをつかんで打ち殺しています。』」(Ⅰサムエル17・34.35)

 「わたしは、良い牧者です。良い牧者は羊のためにいのちを捨てます。牧者でなく、また、羊の所有者でない雇い人は、狼が来るのを見ると、羊を置き去りにして、逃げて行きます。それで、狼は羊を奪い、また散らすのです。」(ヨハネ10・11.12)。「あなたがたのうちに羊を百匹持っている人がいて、そのうちの一匹をなくしたら、その人は九十九匹を野原に残して、いなくなった一匹を見つけるまで捜し歩かないでしょうか。見つけたら、大喜びでその羊をかついで、帰って来て、友だちや近所の人たちを呼び集め、『いなくなった羊を見つけましたから、いっしょに喜んでください』と言うでしょう。」(ルカ15・4-6)

 コロナワクチンの接種について、実施者の結果を見て決めようという人が多いことに驚きます。自分でなければ、感染して害が出ても構わないと考えているようです。皆さんも、もし、そのようなことを考えたのであれば、羊飼いのようにイエス様の承認を得ることはできないでしょう。国々の指導者も、感染者とワクチン接種による非感染を経済効率で考えているようです。私の尊敬する精神科医アブラハム・ホッファーは、患者に対してプラセボでサプリメントの有用性を確認するなどという非人道的なことは決してできないとして、ナイアシンの効能を証明せず、異端視されました。敬虔なクリスチャンですが、神の国で私たちを見守っていることでしょう。

 命について、障害について、病について、軽く考えている人々で満ちています。いつ、野獣が来て、私たちを攻撃するかもしれないと用心している人はあまりいないでしょう。とても、羊飼いのようには、暮らしていないのです。そして、それを正当化しているのです。

 天使が、主イエスの誕生を伝えようとしても、誰も耳を貸すような状態ではありませんでした。人々は、登録のある町に帰ろうとして旅の途中で、飲み食いや歓談に夢中だったのです。

 羊飼いたちは、注意深く夜番をしていました。彼らにとって不注意や油断は羊の死を意味します。真剣に生きる者だけが、真実を悟ります。天使たちの御告げは、「布にくるまって飼葉おけに寝ておられるみどりご」(12)です。「救い主」が「飼い葉おけに寝ている」ことを信じるのは、真剣に生きている者だけです。

 「ホドホド」、「無理をしない」で生きられるほど、世の中は甘くなく、結局は敗者になります。残念ながら、病気やがんで苦しみながら死ぬ人は、殆ど、ご自分の健康についてきちんと管理せず、医師任せです。「専門家ならば、正しく必要なことをしてくれる。」と過信しています。「ケアホームならば、きちんと自分のケアをしてくれる。」と信じてお金を貯めても、人任せの幸せは裏切られることが多いのです。

 羊飼いたちは、大事な羊を神に委ねて、月明かりの下でベツレヘムの街に急いで行き、「飼葉おけに寝ておられるみどりごとを捜し当てた。」(16)。他の人々ならば、神の子、救い主が家畜小屋の飼い葉桶に寝ているなどという馬鹿なことがあるはずがない、として探しもしないでしょう。無駄なこと、常識外れなことはしない、という人々が殆どなのです。「それを聞いた人たちはみな、羊飼いの話したことに驚いた。」(18)。ただ、話のだしにしただけなのです。会話で終わる時間や習慣は虚しいことを悟らないのです。しかし、「マリヤは、これらのことをすべて心に納めて、思いを巡らしていた。 羊飼いたちは、見聞きしたことが、全部御使いの話のとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。」(19.20)

 初臨は、イエス様の降誕です。再臨は、終末です。初臨に気が付かない人々が、もっと警告されている再臨について気が付かないのは当然でしょう。「主の日が夜中の盗人のように来るということは、あなたがた自身がよく承知しているからです。人々が『平和だ。安全だ』と言っているそのようなときに、突如として滅びが彼らに襲いかかります。」(Ⅰテサロニケ5・2.3.)。

 コロナウイルスの遺伝子ワクチンを受けたい人が受ければ良いでしょう。人工的な抗体作りをしたら、ホメオスターシスで自律的に抗体が造られなくなる可能性もあります。コロナは変異も激しいので、違う抗体が必要になった時に、違う強度の遺伝子ワクチンを摂取しなければならなくなるでしょう。もはや、終末を待たなくても、終息を遂げてしまうかもしれません。

ルカ2章8~20節

  • 2:8 さて、この土地に、羊飼いたちが、野宿で夜番をしながら羊の群れを見守っていた。
  • 2:9 すると、主の使いが彼らのところに来て、主の栄光が回りを照らしたので、彼らはひどく恐れた。
  • 2:10 御使いは彼らに言った。「恐れることはありません。今、私はこの民全体のためのすばらしい喜びを知らせに来たのです。
  • 2:11 きょうダビデの町で、あなたがたのために、救い主がお生まれになりました。この方こそ主キリストです。
  • 2:12 あなたがたは、布にくるまって飼葉おけに寝ておられるみどりごを見つけます。これが、あなたがたのためのしるしです。」
  • 2:13 すると、たちまち、その御使いといっしょに、多くの天の軍勢が現れて、神を賛美して言った。
  • 2:14 「いと高き所に、栄光が、神にあるように。地の上に、平和が、御心にかなう人々にあるように。」
  • 2:15 御使いたちが彼らを離れて天に帰ったとき、羊飼いたちは互いに話し合った。「さあ、ベツレヘムに行って、主が私たちに知らせてくださったこの出来事を見て来よう。」
  • 2:16 そして急いで行って、マリヤとヨセフと、飼葉おけに寝ておられるみどりごとを捜し当てた。
  • 2:17 それを見たとき、羊飼いたちは、この幼子について告げられたことを知らせた。
  • 2:18 それを聞いた人たちはみな、羊飼いの話したことに驚いた。
  • 2:19 しかしマリヤは、これらのことをすべて心に納めて、思いを巡らしていた。
  • 2:20 羊飼いたちは、見聞きしたことが、全部御使いの話のとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。