「耐え忍んだ人たちは幸いである。」ヤコブ5章1~11節

先週はペンテコステ、教会発祥の出来事が起こった日です。「終わりの日に、わたしの霊をすべての人に注ぐ。」(使徒2・17)ことによって、信者たちは聖霊のバプテスマを受け、教会が始まったのです。ところが、その預言の後半「上は天に不思議な技を示し」から始まる19節から21節は成就していません。これは終末預言です。

キリストの来臨と共に2000年前に「神の国はあなたがたのところに来ているのです。」(マタイ12・28)が、「この世であろうと次の世であろうと」(12・32)とイエス様が語られる「次の世」である完成した神の国ではありません。神の国はイエス様の再臨後に実現するのです。

キリストが人として生まれたのが初臨であるからこそ、イエス様ご自身が、「地上のあらゆる種族は、悲しみながら、人の子が大能と輝かしい栄光を帯びて天の雲に乗って来るのを見るのです。」マタイ24・30)という再臨を何度も強調されるのです。そして、もう一度来られる時には、5節からの偽キリスト、戦争、民族紛争、飢饉、地震、などが起こることが語られ、「ユダヤにいる人々」の苦難(15-28)、「これらの日の苦難に続いてすぐに、太陽は暗くなり、月は光を放たず、星は天から落ち、天の万象は揺り動かされます。そのとき、人の子のしるしが天に現れます。」(29.30.)ということが預言されたのです。

イエス様が復活後に昇天されたのは、「天の御国は、しもべたちを呼んで、自分の財産を預け、旅に出ていく人のようです。」(マタイ25・14)。「よほど経ってから、しもべたちの主人が帰って来て、彼らと清算をした。」(25・19)、つまり、再臨の時に、信者たちの働きを確認するのです。「こうして、この人たちは永遠の刑罰に入り、正しい人たちは永遠のいのちに入るのです。」(25・46)

さて、イエス様が昇天した後の時代に語られた教えを福音と言います。「神は、キリストにあって、この世をご自分と和解させ、違反行為の責めを人々に負わせないで、和解のことばを私たちにゆだねられたのです。こういうわけで、私たちはキリストの使節なのです。ちょうど神が私たちを通して懇願しておられるようです。私たちは、キリストに代わって、あなたがたに願います。神の和解を受け入れなさい。」(Ⅱコリント5・19.20)。人間の罪、違反行為の罰をイエス様が身代わりに受けたことによって、私たちが罪無き者とみなされることを福音というのです。このことが、私たちの功績によらないので、恵みというのです。「わたしは、恵みの時にあなたに答え、救いの日にあなたを助けた。」(Ⅱコリント6・2)

 この恵みの時代を教会時代と言います。「夫たちよ。キリストが教会を愛し、教会の為にご自身をささげられたように、あなたがたも妻を愛しなさい。」(エペソ5・25)とあるように、教会はキリストの花嫁と例えられます。黙示録19章には、この子羊(イエス様)と花嫁(教会)の婚姻が描かれています。なぜ、婚姻と比喩されるかというと、愛し合い親しく交わる例として一番適切だからです。皆さんの結婚生活は如何でしょうか。

 終末預言をイエス様は繰り返しておられるのは、「わたしはあなたがたに、こう言いましょう。人はその口にするあらゆるむだなことばについて、さばきの日には言い開きをしなければなりません。」(マタイ12・36)という厳しさからです。「あなたは、かたくなさと悔い改めのない心のゆえに、御怒りの日、すなわち、神の正しいさばきの現れる日の御怒りを自分のために積み上げているのです。」(ローマ2・5)

 終末については、イエス様は人類全体の破局の時であり、愛が冷え、金銭に目がくらみ、道徳的にも堕落が極まる時であると預言しています。「今は恵みの時、今は救いの日」(Ⅱコリント6・2)は過ぎ去ろうとしています。

 世界経済は、コロナウイルスによって回復不能な破綻をしまいました。対策費は世界では1千兆円を下らないでしょう。産業も文化も社会も変わります。犯罪も増え、仕事もなくなり、年金や株価も下がります。生きていくことが厳しい時代になるのです。その上で預言通りに、天災や飢饉が起こり、生活は破綻します。サタンの思うつぼです。

 信仰者は、「主が来られる時まで耐え忍びなさい。」(7)。「互いにつぶやき合ってはいけません。さばかれないためです。見なさい。さばきの主が、戸口のところに立っておられます。」(9)。「耐え忍んだ人たちは幸いであると、私たちは考えます。あなたがたは、ヨブの忍耐のことを聞いています。また、主が彼になさったことの結末を見たのです。主は慈愛に富み、あわれみに満ちておられる方だということです。」(11)

ヤコブ5章1~11節

  • 5:1 聞きなさい。金持ちたち。あなたがたの上に迫って来る悲惨を思って泣き叫びなさい。
  • 5:2 あなたがたの富は腐っており、あなたがたの着物は虫に食われており、
  • 5:3 あなたがたの金銀にはさびが来て、そのさびが、あなたがたを責める証言となり、あなたがたの肉を火のように食い尽くします。あなたがたは、終わりの日に財宝をたくわえました。
  • 5:4 見なさい。あなたがたの畑の刈り入れをした労働者への未払い賃金が、叫び声をあげています。そして、取り入れをした人たちの叫び声は、万軍の主の耳に届いています。
  • 5:5 あなたがたは、地上でぜいたくに暮らし、快楽にふけり、殺される日にあたって自分の心を太らせました。
  • 5:6 あなたがたは、正しい人を罪に定めて、殺しました。彼はあなたがたに抵抗しません。
  • 5:7 こういうわけですから、兄弟たち。主が来られる時まで耐え忍びなさい。見なさい。農夫は、大地の貴重な実りを、秋の雨や春の雨が降るまで、耐え忍んで待っています。
  • 5:8 あなたがたも耐え忍びなさい。心を強くしなさい。主の来られるのが近いからです。
  • 5:9 兄弟たち。互いにつぶやき合ってはいけません。さばかれないためです。見なさい。さばきの主が、戸口のところに立っておられます。
  • 5:10 苦難と忍耐については、兄弟たち、主の御名によって語った預言者たちを模範にしなさい。
  • 5:11 見なさい。耐え忍んだ人たちは幸いであると、私たちは考えます。あなたがたは、ヨブの忍耐のことを聞いています。また、主が彼になさったことの結末を見たのです。主は慈愛に富み、あわれみに満ちておられる方だということです。