「信仰者よ、世界の中で輝け!」イザヤ60章1~3節  櫻井 圀郎師

 ヨハネの福音書1章には、基督が「すべての人を照らすために世に来る光」と語られ、「闇の中に輝く光」「闇に打ち勝つ光」「人の命である光」と述べられています。旧約聖書では、「義の太陽」とも呼ばれています。古来、日照時間が最短の冬至は太陽の死と、日照時間が長くなる太陽の復活と解されてきました。死んで蘇られた基督の御降誕をお祝いするのに最適の時期でしょう。

 クリスマスには、光なる基督を表現するために、世界中の教会、家庭、公の道路などで、光が灯されてきました。近代までは蝋燭を灯してきましたが、蝋は高価なので林檎で光を象徴してきました。クリスマスツリーに林檎(林檎の代わりの赤い玉)が飾られているのはその名残です。近代になると、蝋燭に代わって電球となり、今ではLEDです。光のイルミネーションは、光なる基督の降誕のお祝いです。光の明るさは基督の復活の力の象徴なら、昨今の日本のイルミネーションは基督の再臨の近いことを象徴しているようです。

   Ⅰ 立って、輝け!

「立ち、かつ、輝け!」とは、「座ったままでいてはいけない、沈んでいてはいけない」ということです。「あなたの光・神の栄光が入り、あなたの上に輝いているから」です。

 「自分には光がない」「自分は光っていない」と思っている人はいませんか。「あなたの光」とは「神の栄光」です。「神の栄光が、あなたに入って、あなたの上で輝いている」のです。潜在能力ではなく、私たちから立ち上っているイメージです。一番気がつかないのは本人で、周りの人にはその光が見えています。周りの人には、「何でこの人はこんなに凄いんだ」と見えているのです。信仰者は、信仰を持って、自信を持たなければなりません。自信喪失は信仰喪失でもあります。自信喪失、自己卑下、自己憐憫は、神を否定する、唯物論の、自己中心の考え方です。

 徹底的に神に信頼する、内住の聖霊に信頼し、贖い主基督に信頼する、そこに自分の意味や価値があります。神が創造され、神が定められ、神が導かれている自分があるからです。自己価値は信仰によってのみ見つかります。

Ⅱ 闇の世に、光る基督者

 御言葉は「見よ、今、闇が地を覆い隠し、暗闇が人々に被さっている」と言います。客観的な諸状況から見て、今の日本社会の描写ではないでしょうか。多分、世界的にも同じでしょう。立って輝くべき光が要るのは闇の世界です。昼間なら光が要りません。闇に覆われた人々の思いは暗くなり、意味のない殺人や残虐・凶悪な犯罪が多発しています。

それに対して、「あなたの上には神が立ち、神の栄光があなたの上に現れる」のです。闇の世に基督者の光。基督者こそ闇の世の光なのです。ただし、真の神の民に限ります。名目上の基督者、洗礼だけ受けた信者、牧師や教師という肩書きだけの者、教団の役員や神学校の指導者の地位にあるだけの者ではありません。

 闇と光の大きな違い、闇の人と光の人とを区別する決定的な目印は、人か神か、です。闇の人が信頼するのは、人間的な権威であり、唯物論的な物であり、経済的な価値であり、金銭です。光の人は、確信をもった神への信仰であり、神からの召命を理解し、同意した上での、神への信頼であり、徹底した神への献身です。真の信仰者、真の基督者です。

Ⅲ 世界が基督者に従う

 国々(地上のあらゆる権力、組織、団体)は闇の中で光るあなたの方へと移動を始め、王々(地上のあらゆる権威を持つ者、権力者や支配者、統治者、経営者、役職者など)があなたの光の照らす方向へと進んで行くのです。

 闇は光を嫌います。光をいじめ、光を遠ざけ、光を否定し、光を排除し、光を侮辱します。あなたの光が、あまりにも眩いので、闇の人は抹殺しようと図るのです。しかし、永遠の神の栄光が、ついに闇を破り、闇に属していた者が、あなたの輝かせる光の方へと集まり、あなたの光の照らす方向へと進むことになるのです。

 闇は光を殺そうと企みますが、決して成功しません。基督者は様々な試練に立たされます。誘惑もあれば、誹謗中傷もあり、突然の抹殺指令にも遭遇します。しかし、神の采配、神の配剤と考えます。良いことは勿論嬉しいですが、悪いことも実は喜ぶべきことです。悪いことと思えることにも次の段階があります。時間下の人間が永遠の神に全的信頼を置く良い機会です。

 座して止まるのではなく、立って、光を輝かせよう。神が一人一人を遣わすその場で(職場で、学校で、家庭で、地域社会で、趣味のサークルで、友達との交わりで、食べる時に、歩いている時に、立っている時に)。

兄弟姉妹。あなたがたが光り輝くこと、それこそ「本当のクリスマス・イルミネーション」です。

 基督者よ、世の中で、輝け!

イザヤ60章1~3節

  • 60:1 「起きよ。輝け。まことに、あなたの光が来る。【主】の栄光があなたの上に輝く。
  • 60:2 見よ、闇が地をおおっている。暗黒が諸国の民を。しかし、あなたの上には【主】が輝き、主の栄光があなたの上に現れる。
  • 60:3 国々はあなたの光のうちを歩み、王たちはあなたの輝きに照らされて歩む。