「あなたは病から救い出される。」詩編91編

良子師の大腸がんは、殆ど勝利におわりました。櫻井先生が、これは間違いなく主の栄光で終わると言われましたが、そのとおりでした。その理由は、以下の通りであると考えています。

① 主を信じ従っている者にとっては、全ての困難は栄光の呼び水。

② 血液検査を始め、きちんと自己管理をしていた。

③ 体調の悪化や状態の変化にしっかりと対応した。

④ 栄養医学や抗ガンのメガC点滴など自ら開発した医学を適用できた。

⑤ 恐れずに正しい判断で行動できた。病院、事前事後の処理、情報など。

⑥ 家族が協力して助け、多くの祈りがあった。

転移もなく、却って健康になり、がん保険の給付で潤い、クリニックの組織と方針も改変できました。主に感謝します。

さて、私が不整脈で動けなくなった時のことを何度もお話ししていますが、もう一度振り返ります。1987年7月2日の祈祷会でした。4月にクリニックを開業し、5月に私が正教師となり、教会員の青年を結婚に結びつけた後でした。主勢の大火傷の手術、熊谷夫妻による教会員4人の引き抜き(その後、国外逃亡)、K夫妻の掻き回しによる結婚したM夫妻の離反、義兄の死とその家族への支援、その他、多くのことが起こり、先週の山への祈りの前年のことです。私は、断食の祈りを繰り返していました。

若気の至りと言いましょうか、日本のリバイバルと教会の成長を願うあまりに無理を繰り返していましたが、挫折するばかりでした。説教中に動けなくなり、情けなくて涙を流す中で、この詩篇91編が映画の画面のように縦書きで私の目の前に流れたのでした。

 「主は狩人のわなから、恐ろしい疫病から、あなたを救い出される」まさに悪意の人々が私を苦しめるばかりですが、私は腹を立てずにただ祈っていました。本当は、せっかく救われた信者を惑わして自分の都合で連れ去るのですから、断腸の思いでした。現在も、そのような牧師は多くおります。我慢しても、ストレスになり、病気になるものです。でも、「主は救い出される」、「主は、ご自分の羽で、あなたを覆われる。」との御言葉に大泣きをしてしまいました。

 「悪者への報いを見る」ということがわかったのは、数年経ってでした。伝道師としての資格もなく、行き場がなくなった熊谷夫妻をかくまったのに、自信を持ったら自分の教会を始めるために教会員を引き抜いていき、心配して訪問したら、私を見下して横柄な態度を取り、こんな人だったのかと驚きました。数年して誤魔化しがばれて破産し、アメリカへ夜逃げしていきました。K夫妻も、家族が離散しています。

ただ、私は、「あなたが私の避け所である主を、いと高き方を、あなたの住まいとしたからである。」の御言葉に刺されました。「私は、神を避け所としていない。勝手に行動しているだけだ。」数日、横になりながら、祈りました。「心臓が破綻したのは、神に信頼せず動き回っているからだ。」30周年記念誌には、「これまでの成功思考と自分中心との生き方を悔い改め」と書いてあります。その後の9月に萩原姉が洗礼を受けています。

 「何も思い煩わないで、あらゆる場合に、感謝をもってささげる祈りと願いによって、あなたがたの願い事を神に知っていただきなさい。」(ピリピ4・6)とあるように、病気になろうと、困難や試練に出くわそうと、「わざわいは、あなたにふりかからず、えやみも、あなたの天幕に近づかない。まことに主は、あなたのために、御使いたちに命じて、すべての道で、あなたを守るようにされる。」(10、11)と語られる主を信じて、信仰の道を歩めば良いのです。

 「無理をしないで。」という言葉を掛けるのはやめたほうが良いと言いました。むしろ、無理をしてでも、「主を愛しているか」(91・14)と問うた方が良いでしょう。妻は、病症で、フリーソフトのギデオン聖書を聞くと、すぐに寝入ってしまいました。人生で初めて、ゆっくりと過ごした2週間だったそうです。クリニックニュースの2月号に、妻自身の闘病記があります。なにもなく、1982年2月1日に家族3人で千葉に引っ越し、壮絶に生きて来ました。人から呆れられ、諫められ、馬鹿にされ、責められ、そして、今は、誉められ、頼られ、感謝されるようになりました。人の評判や意見は、流れ去っていくものです。

 「彼がわたしの名を知っているから、わたしは彼を高く上げよう。彼が、わたしを呼び求めれば、わたしは、彼に答えよう。わたしは苦しみのときに彼とともにいて、彼を救い彼に誉れを与えよう。わたしは、彼を長いいのちで満ち足らせ、わたしの救いを彼に見せよう。」(91・14-16)

 情報を得ても、参考にはなりません。すぐに変わるものです。人の意見や知識は、千差万別です。頼るわけにはいきません。神の言葉、聖書こそ、あなたの人生の指針にするべきです。人に助けを呼び求めたことはありません。神しか、助けられないと知っているからです。

詩編91編

  • 91:1 いと高き方の隠れ場に住む者は、全能者の陰に宿る。
  • 91:2 私は主に申し上げよう。「わが避け所、わがとりで、私の信頼するわが神。」と。
  • 91:3 主は狩人のわなから、恐ろしい疫病から、あなたを救い出されるからである。
  • 91:4 主は、ご自分の羽で、あなたをおおわれる。あなたは、その翼の下に身を避ける。主の真実は、大盾であり、とりでである。
  • 91:5 あなたは夜の恐怖も恐れず、昼に飛び来る矢も恐れない。
  • 91:6 また、暗やみに歩き回る疫病も、真昼に荒らす滅びをも。
  • 91:7 千人が、あなたのかたわらに、万人が、あなたの右手に倒れても、それはあなたには、近づかない。
  • 91:8 あなたはただ、それを目にし、悪者への報いを見るだけである。
  • 91:9 それはあなたが私の避け所である主を、いと高き方を、あなたの住まいとしたからである。
  • 91:10 わざわいは、あなたにふりかからず、えやみも、あなたの天幕に近づかない。
  • 91:11 まことに主は、あなたのために、御使いたちに命じて、すべての道で、あなたを守るようにされる。
  • 91:12 彼らは、その手で、あなたをささえ、あなたの足が石に打ち当たることのないようにする。
  • 91:13 あなたは、獅子とコブラとを踏みつけ、若獅子と蛇とを踏みにじろう。
  • 91:14 彼がわたしを愛しているから、わたしは彼を助け出そう。彼がわたしの名を知っているから、わたしは彼を高く上げよう。
  • 91:15 彼が、わたしを呼び求めれば、わたしは、彼に答えよう。わたしは苦しみのときに彼とともにいて、彼を救い彼に誉れを与えよう。
  • 91:16 わたしは、彼を長いいのちで満ち足らせ、わたしの救いを彼に見せよう。